地中熱利用システム(エコシステム)のコントローラーが新型になりました!

【ご質問】
先日、御社で「地中熱利用」についてお話を聞いたのですが、その際、
今後は全ての地熱住宅で効果を見ていただけるようになりました」と説明を受けたのですが、もっと詳しく説明してください。
地熱住宅の内外で温度測定をするようになったと説明されたのですが、どのようにおこなうのですか? また、入居してから、それらの測定データをどうやって確認するのでしょうか???


(回答)
・地熱住宅に設置してあるシステムですが、2種類の機能が一つになったシステムです。
それは「地中熱利用の機能」と「24時間換気システムの機能」です。
詳しい内容は下記をクリックしてご覧ください。

「床下システム」(地熱利用システム)とは?

地中熱利用の方法はたくさんあるのですか?

【24時間換気システム】について

この2種類の機能を制御しているのがコントローラーです。今までは、下記のコントローラーが設置されてありました。
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このコントローラーは1997年に開発が終了し、それ以降は改良されていませんでした。
しかしながら、下記の点において、改良の必要性を感じておりました。

①全てのお施主様に「地中熱利用効果」について測定結果を見ていただきたいこと。
*一部のお施主様に協力していただいて「地中熱利用効果」について測定を継続しておりました。それらの測定結果については、下記をご参照ください。

【外断熱の地熱住宅】温熱環境測定データ

②全国各地の気象特性に合わせたシステムに改良したいこと。
*平成21年7月現在、北は岩手県から南は鹿児島県まで、私たちが開発した【外断熱の地熱住宅】が建築されることになっています。しかし、本来、このシステムは千葉県の気候特性に合わせて開発されたものです。「外気温・湿度」「日照量」などが違う各地では、このシステムをそのまま導入したのでは最高の性能を引き出すことに問題があります。いままでは、各地の工務店さんがシステムをマイナーチェンジして対応していただいておりました。
全国で【外断熱の地熱住宅】を建築している工務店さん達

*よりいっそうの効果を引き出すため、システムのコントローラーが「各地の気候特性」を自動で判断して、システムの稼働を最適にする機能が必要とされていました。

*さらに、千葉県においても、年々 気候が変動する可能性がありますので、やはりその時々の外部環境に最適に対応するための機能が必要とされていました。

そこで、1年半ほど前から、機器メーカーや地熱住宅を建築している仲間の工務店と一緒になって「コントローラーの開発」をおこなってきたのです。

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下記の会社が、それぞれの分野において、新型コントローラーの開発に向けて全力で取り組んできました。

エコホームズ株式会社: 地中熱利用システム及び24時間換気システムの動作環境の開発
池田住宅建設: 測定データをインターネットを利用して収集するためのシステム設計と開発
株式会社インテックス: コントローラーの製造
ecoハウス研究会事務局 マスタープラン: コントローラーの画面デザイン及び操作性の改善

他にも、「寒冷地での気候特性に関するアドバイス」(丸已建設)と「試作機の設置に関するアドバイス」(渡辺ハウジング)の2社からもいただきまして、1年半の期間 開発を進めてきました。

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特許の関係があり、開発期間はホームページ等でお知らせすることができませんでしたが、今回新たに追加された機能についてご説明いたします。

*下記が新しいコントローラーです。
○本体部分(階段下のスペースなどに設置されます)
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○モニター部分(リビングなどに設置されます。測定結果がリアルタイムに表示されます)
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【新型コントローラーの新機能】
○温度・湿度測定について
・床下(温度・湿度)、室内(温度・湿度)、外気(最高気温及び最低気温、湿度)、外部(音)を測定するため、各場所に特殊センサーを設置します。

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【上記のセンサーは、建物/外壁(北側もしくは東側)に設置されます。外気温度・外気湿度・音を検出します。ちなみに、ここで測定した外気温度をもとに、新型コントローラーが自動でシステムのモード(梅雨・夏・冬など)を切り替えます】

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【上記のセンサーは、建物/外壁(南側もしくは西側)に設置されます。外気温度を検出します。直射日光にあたらない場所に設置します。参考データになります。】


・測定データは本体内部に記録保存されます。
・また、ご希望の方のみ、測定データを1時間毎にインターネット経由で池田住宅建設さんのサーバーに自動で送り出し、記録保存することも可能です。

○外部の音測定について
・地熱住宅は非常に気密性が高いため、外の音が室内ではほとんど聞こえません。そこで、地域の緊急放送を聞こえるようにするため、センサーには集音機能も付加しました。

○気候特性の変化に対応することについて
・1993年から2009年までの測定結果をもとに制御プログラムを開発し、千葉県と気候特性の違う場所においても「外部測定データー(温度及び湿度)」をもとに、プログラムがシステムの稼働を自動的に調整します。これにより、寒冷地から温暖地のいずれの場所においても、「地熱利用システム」と「24時間換気システム」が最適な動きをするようになりました。そのため、従来のカレンダー(日付)方式によるシステムの切り替えは廃止され、外気環境によりシステムの切り替えが自動で行われます。
・千葉県においても、年ごとの気候変動にシステムが自動調整できるようになりました。

○室内側モニターについて
・下記の画像(ちょっと不鮮明ですみません)のように、センサーの測定結果が自動表示されます。
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・また、モニターはタッチパネル(液晶)ですので、操作はすべてこのモニターでおこなうことができるようになりました。

この新型コントローラーですが、すでに下記の場所で建築した地熱住宅に設置が開始されております。

(千葉県) 長柄町、柏市、市川市
(関西) 奈良市、兵庫県、京都府、鳥取県

先日、開発を一緒に担当してもらった池田住宅建設さんが奈良市に建てた地熱住宅(平屋タイプ)にも新型コントローラーが設置されましたので、全国の工務店さんと一緒に見学してまいりました。
*池田住宅建設さんの地熱住宅(平屋)については、下記もクリックしてご参照ください。
【地熱の"平屋建て"完成しました!!】エコ住宅構造&完成バス見学会レポート

(池田住宅建設さんが建てた地熱住宅(平屋タイプ)
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(北は岩手県/南は宮崎県から集合した工務店さん達)
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(新型コントローラーの機能について解説している池田社長)
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【参考情報】この時の様子を下記の工務店さんもホームページで公開されています。
こざさ建設さん
BOSCOさん


したがって、地熱住宅にご入居されてからも、お施主様は毎日/毎時間 測定結果を見ることが可能になりました。

「おっ! 現在 室温20度 湿度40%か! うわっ! 外は3度だよ。ちゃんと厚手のコートを持っていかないとヤバイな!!!」

こんな風に快適に生活していただくための新型コントローラーです。

まだまだ、すべての機能をご説明できていませんが、他にもご質問があれば、下記のフォームからご連絡ください。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。