千葉県初受賞!【第5回 環境省エネルギー賞 住宅金融公庫総裁賞】

お施主様の全面的な協力をいただきまして、長期間に渡り、「地熱住宅の温度測定」及び「冷暖房機器の使用電気量」を測定しております。
その測定結果をもとに、「財団法人 建築環境省エネルギー機構」が主催している「環境省エネルギー住宅賞」に応募しました。その結果、【住宅金融公庫総裁賞】を受賞することになりました。
その内容をご覧ください。

第5回環境省エネルギー住宅賞 住宅金融公庫総裁賞受賞シーン




■環境省エネルギー住宅賞とは

環境負荷軽減・省エネルギー住宅の普及促進を図るために(財)建築環境・省エネルギー機構が主催して行われる住宅のコンクールです2年に1度開催され、2001年の今回で5回目となります。この環境省エネルギー住宅賞において、わたしたちがお客様との共同作業で創った家が住宅金融公庫総裁賞を受賞しました。これまで千葉県の住宅が表彰されたことはなく、当社が初めての受賞となります。エコシステムのエッセ21住宅は、現代の技術力で日本の伝統住宅と北欧住宅の知恵を両立し、進化させたもの。在来工法の特性を活かした檜の家を、外断熱することによって日射熱と地温を活用するものとし、なおかつ、たえず新鮮な空気が行き渡る健康性と耐久性を高めた外断熱・高気密住宅です。



第5回「建築・省エネルギー賞・住宅金融公庫総裁賞」受賞作品

●はじめに●

 何世代も住み継がれた伝統民家の知恵が示すように、梅雨があり、夏高温多湿・冬低温乾燥で地震国という日本の気候風土は本来は、家を長持ちさせるための木部の通気性確保のため冬対応を切り捨てなければならないという特性をもっていた。永い歴史の中で培われた禁断を犯して、夏冬両用の高性能住宅にするからには、耐久性のために万全を期す必要がある。 

 エコシステムは、日本伝統民家の気候風土に適した知恵の意味を明確にして、現代の技術力でその知恵を甦らせたものである。また、北欧住宅の知恵の本質である「外界からの遮断」を活かしつつ、日本の冬の豊な日射や、夏の夜間の冷気などを大切に受け止めることを意図している。その上、アイヌの伝統民家であるチセ研究による「地下5mあたりの温度は、タイムラグで夏冬が逆転している」との知見を活かして、床下地中に「さりげなく」夏の熱を冬まで持越すことに成功。エコシステムは※生エネルギーの住宅として誕生した。 
 今年で外断熱高性能住宅を千葉県下に提供して満10年を迎えた当社は、「エコシステムの住宅は、住まい方次第で暖房エネルギーはゼロになる」ことを温湿度測定で実証してきた。応募住宅は2000年3月の竣工であるが、住宅内外の地下5mまでの地中温度を継続測定して実態を検証中のものである。

※日射や生活排熱、建物や地盤の蓄熱効果などの、多様で個性的な無償のエネルギーを荒谷登北大名誉教授は「生エネルギー」と呼ぶ。


地中温度活用のエコシステム誕生の経緯とその計画

1 健康性と耐久性のために、暖房しないで住める家を目指す
 温度と湿度の自然の法則に添って夏低湿・冬多湿という寒冷地や北欧と違って、冬はかなり低温でありながら夏より乾燥する日本の本州においては、少しの暖房にも過乾燥が進み人間にとっても家にとっても健康や耐久性を害する惧れが増大する。暖房しないでも寒くない家は、室間の水平温度差も上下温度差も少なく、乾燥も結露も防止され、春のような室内環境で快適に生活できる。エコシステムは、健康で長持ちする家にするために、「暖房しないで住める家」を目指した。省エネは結果としてついてきた。また、シックハウス症候群に対しては、問題化学物質の低減化はもとより、換気空気を、内外温度差で夏冬逆転する室内自然気流に乗せることで、日本の気候風土ならではの効率計画換気と大量換気を図っている。

2 半年前の熱(冷熱)を持越す地中の蓄熱力を活用
 アイヌのチセの研究による知見から、●地下5mは地上とのタイムラグで冬季に年間最高温度になること、●イロリでの消えない程度のささやかな火力も夏から継続して燃やし続けると、加熱による室温上昇分と同じ温度が土間床に蓄えられ、冬には土間床が地下深くと同じ程度の温度を維持することができることを学んだ。少なくとも、南関東地域以西においては、暖房エネルギーゼロハウスがかなり容易に達成できるとの確信を得たのは、この地域は冬季の地中5m近傍に夏から持越された熱が約18℃となって無尽蔵に眠っていることを、古い気象庁のデータから知った時からであった。
 そこで、夏の熱を冬まで持越す深い地下5mの環境条件に、浅い床下地中の環境を近づける工夫をした。基礎部分から床下地中が冷え込むのを防ぐために基礎外断熱を強化し、日射熱を床下に吹き降ろして、地下5mと同じ18℃程度で冬まで持越せるように計画した。

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3 地中温度活用住宅は、低めの温度でも体感温度は快適
 冬季の体感温度は、静気中では室温と周囲の壁などの表面温度との平均で決まる。18℃程度の地中温度に支えられ抱かれたエコシステムの住宅は、日射のない夜間は壁や床の表面温度がやや低めながら床下地中と同等の温度レベルを維持する。今迄の一般住宅では暖房が必要になる17℃前後の室温でも寒くはない。乾燥の被害からも免れる。しかし、同じ17℃前後の室温であっても、窓の表面温度が低ければ、体感温度が下がり、暖房が必要となるので、ささやかな地中温度で守られる室内環境には、窓の性能が決め手になる。温熱環境のためには、窓などの開口部の性能を最重点課題としている。寒冷地でもないのに風除室を設置(特に北側玄関)するのも、どのようなエネルギー事情の時代が到来しても安心して住めるよう、目標が「暖房しないで住める家」であるからである。


エコシステムの概要

 エコシステムは、太陽と大地の自然力が相乗効果を発揮して健康的に生活できなおかつ長持ちする家にするよう、

●基礎も含む完全外断熱の在来軸組工法。
●床下空気が断熱材の内側の壁空洞を通って小屋裏に抜ける通路を確保し、木部を封じ込めない。
●床下と1階の通気を図る。

の3要件を整えて、床下除湿・床下冷気再利用・床下蓄熱をする「床下システム」を備えた住宅である。

床下システム 夏

【夏】
・「床下システムの役目」
夏の床下システムは床下の空気を吸い上げるので、1階床面近くに溜まっている低温ドライ空気を通気巾木から床下へ吸い込み、床下はドライ空気の貯蔵室になります。また床下は冬から持ち越した低い地温に支えられているので、ドライ空気はより一層冷やされて2階ホールに放出して再利用されます。

・「地温の冷熱源による床下冷気活用」
外気温の高い日中は熱気も日射も中に入れないように上手にコントロールして、27度前後の設定のドライ運転で全室暑さを感じず過ごせます。エアコンドライ運転時は、気密性を活かすよう、開口部を完全に閉めると効果的です。


床下システム 冬

【冬】
・「床下システムの役目」
2階ホール/天井付近に溜まっている暖気を床下に降ろし、土間床に蓄熱します。

・「大地の地温に支えられながら、床下システムにより蓄熱される土間床」すっぽり外断熱で覆われた住まいは、大地の恵み
の恵みである地温(18度前後)に支えられて床下温度が15度前後あります。日射や暖房などによって温められた室温は、そっくり床下地中に蓄えられ、太陽熱と地中温度が相乗効果を発揮します。


計画趣旨

 千葉県八日市場市は、銚子に近い温暖な地であるが、関東共通の夏の高温多湿・冬の低温乾燥は顕著である。この夏の熱を冬まで持ち越し、冬の冷熱を夏まで持越して、欠点とされてきた夏冬の寒暖差を逆に活かして健康的に生活でき、多湿・乾燥の湿度問題から解放される、長持ちする住宅を計画した。

1. 伝統民家の知恵を活かして長持ちする家

●木部の呼吸と放湿を徹底し確保
 伝統民家が長持ちしていた最も大きな要因は、いかなる木部も決して封じ込めずに呼吸する面を残し、木部の放湿を厳しく図っていたことである。この伝統の知恵を生かして、いかなる木部も封じこめず、呼吸や放湿を確保することに徹した。例えば、最も大切な檜4寸角の土台の四周を通気に触れるように工夫。

●完全外断熱工法で、床下の「垂直換気」を確保  
 伝統民家の床下換気は膨大な量の「水平換気」だけでなく多量の「垂直換気」も行われていたのが実態である。現代は床下地盤からの放湿を防ぐ方法が確立しているとはいえ、新築時のコンクリートに含まれている水分のみならず、多湿シーズンには家中で最も低温の床下に溜まるので、布基礎のない昔と勝るとも劣らない多量の床下換気が必要である。基礎断熱の高気密住宅において、これらの伝統の知恵を甦らせるために、基礎・壁・屋根ともに外断熱して、床下空気や湿気が断熱材の内側の壁空洞を通って小屋裏にぬける「垂直換気」ができるよう計画。また、床下と1階とが連通可能になるよう数多くの通気を工夫している。基礎断熱部には防蟻対策を3段階に施工。耐震性は、防湿気密構造用積層板を加えているので、品確法に基付く性能表示の耐震等級や耐風等級などが最高の等級に該当する。

●夏季は床下除湿・冷気再利用する床下システム 
 秋から冬には蓄熱システムとして稼動する床下システムは、夏季は床下除湿とエアコンドライ空気の再利用システムとして決定的な威力を発揮する。

2. 夏の床下地中温度を冬まで持ち越し、冬の床下地中温度を夏まで持ち越す

●基礎外断熱の強化                           
 地上が冬になった時、地下5mは夏の熱がやっと伝わってきて年間で最高温度の約18℃になる。これは、床下地中を地下5mの環境条件に近づければ、18℃近い温度を維持できる可能性があるということである。まず、外からの冷え込みを少なくするために、基礎外断熱に基礎特殊断熱を加える。

●初秋から日射熱を床下に放出(=床下システムによる蓄熱)
 床下を冷やさないために日射熱を床下に放出する(16wのファン)。アイヌのチセでの消えない程度の薪燃焼の継続加熱で夏の熱を持ち越していたのに習う。

●日本の気候風土に適した「重ね着の窓=二重サッシ+断熱雨戸」       
 室温と床下地中温度は相乗効果を発揮しているのであるから、住宅の性能を決める窓を最も重要視した。しかし、豊かな日射がある日本では、ペアガラスやトリプルガラスは日射透過率が下がってしまう。また、夏の夜は冷房温度より外気が低い。脱いだり着たりできる“重ね着”の発想で、二重サッシと断熱雨戸は、「有効に利用したい自然エネルギー」と「遮断したい外環境」のどちらとも上手につきあえる「日本の窓」である。

3. 換気の充実「第1種換気+大量換気+自然換気」
 夏季に高温のために揮発する化学物質(低減化を図っても)の排出には計画換気だけでは対応しきれない場合が考えられる。大量換気ファンを、新築当初や夏の夜など大量換気が必要な時には強で稼動させる。また、熱交換の必要のない季節は弱で動かせば第3種換気になる。タイマーやカレンダー機能を組み込んだ操作盤が便利である。

4. エアコンはドライ運転で除湿器として24時間連続稼動(1日約10kW)
 冬から持越した冷熱で支えられた床下に、エアコンのドライ空気を吸い込み、より低い床下温度で冷やされた空気を再利用する。家中の室温が夏中27℃前後で保たれ、消費電力は1日約10kW。冬は敷地の制約で南面が狭く、比較的日射取得熱が少ないので1Fの2.8kWの床置きエアコンを18℃程度で連続運転の予定。消費電力は夏より小と推測。

5. 気密性を活かした住まい方で、夏季の多湿・冬季の乾燥から解放
 梅雨や真夏の蒸し暑さや冬季の低温乾燥を解決するのは、外断熱による「気密性」と効率的な換気であった。相当隙間面積(C値)が1・程度であれば、戸外の湿気が家の中に入らず「梅雨からの完全解放!」T様邸はC値が0.67。エアコンのドライ運転も気密性が高いので効果的。冬も、外窓と内窓の2枚を長時間開放するのは避ける。低温乾燥外気を入れた後に窓を閉めると、室温はすぐ元のレベルに戻るが、湿度は一層下がる。気密性が日本の湿度問題からの解放者。


住宅内外の地下5mまでの地中温度測定

 平成2年より提供を始めた基礎外断熱住宅は、全ての顧客住宅に、30本の温度と湿度のセンサーを埋め込み、夏と冬の1週間余りの測定を行い、性能の報告をしてきた。(近年は希望者のみ)
 それらの結果から、少なくとも基礎断熱住宅においては床下の温度レベルに支えられて室温は経過する。また日射や暖房で床下温度より室温が高目の日が続くと床下に蓄熱されて床下温度が上がる。このように室温と床下温度は互いに影響を強く与えるので、「住いの温かさは床下温度できまる」ともいえるようである。床下温度は室温を支えているし、また室温は床下温度を規定する。基礎断熱住宅における両者は非常に相関が高い。

1 住宅内外の地中温度測定は、成田モデルハウスで継続中
 地中温度活用の実態を検証するために、1996年に成田モデルハウスを着工する前、住宅の内外の地下5mまで温度センサーを埋め込み(室内用も含めて90本)、竣工した1997年より3台のロガで測定を継続している。当初は、年間で冬季に約18℃の最高温度になる地下5mの温度レベルに床下1mの地中温度を近づけるのが目標であったが、床下中央の地下1mの温度は、地下5mより高くなってきている。
 冬季における地中温度を活用するエコシステムの住宅は床下地下1m〜5mまで18℃〜19℃の大蓄熱層になって家全体の温熱環境を地中より支えている形になっていることは実証されている。

■戸外地中温度の変化(成田モデルハウス)測定表示期間:1997年3月20日〜2001年1月20日

戸外地中温度の変化 測定期間 1997年3月20日から2001年1月20日

戸外の地下1mや地下2mの温度は、季節変動に応じて大きな振幅で変動している。一方地下5mは、初冬に最高温度(18度あまり)、初夏に最低温度で夏冬が逆転。とりあえずの目標は地下1mの温度を地下5mレベルに近づけるのが狙い。

■床下地中温度の変化(成田モデルハウス)測定表示期間:1997年3月20日〜2001年1月20日

床下地中温度の変化


冬の床下地下1mの温度が目標の地下5mの温度より高くなっている。(19度〜20度)

2 T邸で、生活の場での床下地中温度を測定
 成田モデルハウスでの地中温度測定によると、少なくとも冬季の床下の地下1m以下には20℃近い大蓄熱層が形成されていることは明確である。しかし、「厚い土間コンクリートで遮断されて地面からの熱は伝わらないのではないか」との質問をよく受ける。コンクリートは熱伝導率が大きく蓄熱力に優れているからそれはあり得ないが、土間コンクリート周辺を詳しく調べて見ることにした。資料に見る通り、耐圧盤の厚みは15cmであるにも関わらず、「耐圧盤表面とその下端の温度差」は「耐圧盤下端とその下端から10cm下の温度差」よりも小さいことがわかった。これは、土間コンクリートが土以上に熱をよく伝え、有効な蓄熱体として機能していることを示している。これから冬に向けてのデータをもとに、測定に全面的協力を惜しまない共同研究者である施主(T様)と、地中温度活用住宅によりふさわしい住まい方を共に検討していきたい。

■外気・居間・2F洋室・床下および床下地中の温度経過(津吹邸) 

外気・居間・2F洋室・床下および床下地中の温度経過

床下土間コンクリートの温度は、23度〜24度。冬から持ち越した冷熱に支えられているので安定している。1F床近くに溜まるエアコンドライ空気は、床下システムで床下に吸い込まれ、より低い床下温度で一層冷やされて吸い上げられ再利用される。


おわりに

 人類が19世紀までに、永い生活体験を通して培ってきた地域特有の伝統の知恵が、20世紀の多様な文化の洗礼を受けて、その価値を確認できないまま消え去ろうとしています。21世紀の理想の住宅は、エコロジー住宅の原点である伝統住宅の中に潜む、脈々と継承されてきた知恵の意味の延長線の方向にあるのではないでしょうか。その意味において、日本住文化の到達点を象徴する住宅でありたいと希望しております。

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