S様(千葉県八千代市)のご意見・ご感想です。

千葉県八千代市にお住まいのS様から「地熱住宅」に関してインタビューをさせていただきました。S邸では住宅内外に80箇所の温度・湿度測定センターを設置させていただきまして、入居直後から長期間にわたり、温熱環境の測定にご協力をいただいております。
*測定データは、下記をクリックしてご覧ください。
 ○地熱住宅 温度測定結果 (千葉県八千代市 S邸)


玉川「地中熱利用の住宅を建てようと思ったきっかけはなんでしょうか?」

S様「この家を建てるきっかけですね。1975年に、この土地にMホームさんで家を建てました。その家はですね、住宅の欠陥を総まとめにしたような家でありまして、ローンをかかえていたので出直すわけにもいかないので我慢して住んでいました。その間、展示場だとかチラシとか、そういうものを見ながら、その欠陥が出てくる理由はなんだろうか?と。住宅雑誌・本等を見ながら25年間じっと我慢していました。チラシなどの資料はスクラップブックに保管していました。その後、家を建替えようと決意した時、玉川さんの【地熱住宅】のチラシに赤丸がつけてあるのを発見しました。」

「そして、玉川さんに電話したところ、偶然にも、宇佐美さんに電話がつながりまして、地熱住宅の原理について長時間話をすることができました。開発してから10年が経過していたので、それなら、ずいぶん改善されているだろうと考え、地熱住宅に決めました。」

玉川「前の家では、どんな欠陥があったのですか?」

S様「住んでみて、非常に寒いのですよ。家を解体する時にみたのですが、壁の中にはグラスウールはちょろちょろとしか入っていませんでしたね。本棚の裏が結露でびしょびしょでした、壁の断熱が悪かったのでしょうか?  床下の湿気防止で大きな換気口を設置してあったのですが、冬は床が外気と同じ温度になっていましたね。カーペットを敷いても冷たいままでした。アルミサッシの結露がひどくて、結露によって床が腐り始めたのです。夏は暑い、冬は寒い、結露はする、隙間から砂が入ってくる。なにしろ住みにくい家でした。」

玉川「ご主人が建替えを決意された時、すでに定年退職されていたのですが、お子様達がすでに独立されているのにもかかわらず、どうして多額の費用がかかる建替えを選択されたのですか?」

奥様「子供を育てる時期は、教育費も含めていろいろとお金がかかりましたね。住宅ローンの返済で精一杯でした。だから、【この家は嫌だ嫌だ】と思いながらも、ず〜と25年間も我慢していました。定年になってからもまだまだ長い期間生活するわけですから、それだったら快適に暮らしたいなと。」

S様「もうね、我慢の限界に達したわけです(笑)。」

奥様「歳をとると、だんだん外に出られなくなりますね。働いている時は寝るだけですから家にいる時間は短いのですが、定年後は家にいる時間が長くなってくるのですから、家が居心地が良いというのは大事ではないかしら。それで建替えを考えたのです。」

S様「前の家はね、細かく仕切ってあったから、ストーブをつけると暖かくなるのですが、顔ばっかり火照ってね、足元は冷たいしね。」


玉川「地熱住宅にお住まいになってから6年ほど経過されていますが、ご感想をお願いします。」

S様「地熱住宅の原理を聞いて、今まで経験してきた住宅の欠陥が解決されると考えました。宇佐美さんのアドバイスを聞きながらプランニングに入っていきました。エコガーデン(=土間コンクリート)、床下システム、24時間換気についても説明をうけながら、間取り・方位・小屋裏に至るまでの余裕・メーターモジュールの採用など設計の方と相談を進めました。」

(これがエコガーデン=土間コンクリート部分です)

エコガーデン


「家を建てる途中、断熱材を貼り始めたころがちょうど真夏だったのですが、大工さんが【この家は非常に作業がしやすいですよ。】と言っていました。私達も家の中で体感したところ、大工さんの言う通り涼しいのです。これが高断熱住宅なのかと、その時はじめて実感しました。」

「完成した結果、高断熱・高気密住宅の特長をよくあらわした家になりました。家が南向きに建っていること、土間コンクリート(=エコガーデン)に日射熱を蓄熱すること、冬場は家の中に太陽熱を十分に取り入れるように設計しました。その結果ですね、地熱と太陽熱の関係がよく理解できるようになってきました。床下温度を高くすることによって、また後で設置したソーラーウォールの効果もあるのですが、家全体の温度(室温)を下げないことがわかりました。」

(自然エネルギー=日射:太陽熱を十分に取り入れるため、住宅の間取りを考える際、方位が重要。南に開放された間取り)
南に開放された間取り

(夏の西日対策。住宅の立地条件/方位/配置も含めてプランニングをおこないます。西側の開口部(=窓)面積も検討項目の一つ。)
西側開口部 面積 窓が少ない


「築6年目に入りました。その結果、夏は、室温はそれほど下がらないものの、空調による除湿効果によって、家の中が非常に涼しく感じます。高断熱であるため、天井裏からの輻射熱も遮断しているからでしょうか。冬は、室温がだいたい18℃〜20℃を維持しています。」

「築2年目ごろに、ソーラーウォール(太陽熱を温風に変換するアルミ板)がテレビ番組で紹介されているのを見つけまして、それですぐに宇佐美さんに連絡しました。太陽熱をもっと導入する必要があると考えていまして、それですぐに自宅にソーラーウォールを設置しました。」

(太陽熱を温風に変換するソーラーウォールを2階に設置されています。)
ソーラーウォール

「家全体で80箇所ほど温度・湿度測定を継続しているので、私達は実験住宅に住んでいるようなものですね(笑)。そして、システムの改善についても提案しています。風量について・配管のタイプ・配置のバランスなどですね。」
*注:S様は飛行機/整備の専門家です。特に、飛行機の空調に関して、整備士の指導・育成を担当されていました。飛行機整備の教科書を書かれたのがS様です。

(家の内外で、80箇所も温度・湿度の測定をおこなっています。)
温度湿度測定
*測定結果については、下記をクリックしてご覧ください。
 ○地熱住宅 温度測定結果 (千葉県八千代市 S邸)


「来客があった時に、風除室から中に一歩入ると【涼しい!】って言ってますね。実際、室温はそれほど低くはないのですが、暑くない。それは輻射熱を完全に断ち切っているからだと思います。ただね、冬場、困ることがあります。家の中にいると、外の寒さがわからないのです。このまま、ばぁ〜と外に出ると震え上がっちゃうのですよ。そして、冬場、室内が乾燥気味になりますね。」


玉川「これから家を建てる方にアドバイスをお願いします。」

S様「重要なのは、家を建てるタイミングですね。働き蜂のように働き続けて、そして定年を迎え、それで一区切りがついたら多少ゆとりが欲しいころですね。退職金もあるし、住宅ローンも完済したころですから、ある程度借金から抜け出しています。子供にお金もかからなくなってきているし、もう少し、自分達にお金を使いたいころですね。その時が建替えに良い時期だと思います。」

「そして、もう一つは、満足する家を建てるには【限界の年齢】を知ることですね。家を建てる時に施主はエネルギーが必要です。団塊の世代/60歳ぐらいであれば、まだまだそのエネルギーが残っていますね。しかし、70歳を過ぎると、建替えるエネルギーがでてこないのです。幸い、私はまだエネルギーがある時に建替えましたから、じっくりと検討することができたのですが。」

奥様「私の親のことですが、40代で建てた家に最後までず〜と住んでいたのです。晩年になってきて、親が病気がちになってくると、不思議と家も病気がちになってきました。高齢になると、例えば、雨漏りした時にどこに修理を頼めばよいのかわからなくなってきますね。親のことを見てきて、それで、まだまだ元気があるうちに建替えようと決めました。」

S様「最後まで守ってくれる【人生のシェルター】が必要なんだ。高齢になると気力がおちてくるからね。リフォーム詐欺にかかる人の気持ちもわかるよねぇ〜。」

「メーターモジュールで、仕切りの無い、ワンボックスの家に住んでいると良いことがあります。家中に温度差が無いことが条件ですが、結構、私達は家中を動きまわります。だからね、良い運動になります。それでも苦にならない。これが【健康住宅】だね。」

「設計の段階から話がでていたエコガーデン(=土間コンクリートに蓄熱させます)ですが、冬場、窓際から入ってきた太陽熱を昼間蓄熱して、夜間放熱します。冬場は一つの熱源になっています。それが夜の冷え込みを防いでいます。夏場、エコガーデンには全く陽があたらないので、エコガーデンがヒンヤリとしています。つまり、冬場は暖かく、夏は涼しいので、このエコガーデンも温度調整の大きな要因になっています。100年住宅用には必要ですね。」

「2重サッシに加えて【断熱雨戸】は非常に大きな効果があります。夜の冷え込み対策には抜群の効果が期待できます。夏場は、断熱雨戸を全て閉めてしまうと真っ暗になって困りますが、半分閉めるだけでも、日射遮蔽の効果が大きいですね。地熱住宅はむしろ暑い地域で建てるのをお勧めですね。床下システムで家全体を除湿する。その効果は蒸し暑い地域に適していると思います。」

(断熱雨戸。雨戸の中に断熱材が入っています。冬:夜間の冷え込みを防止する。夏:日射遮蔽をおこなう。季節と時間帯にあわせて利用します。)

断熱雨戸

玉川「S様、奥様、今日は長時間にわたり貴重なお話をいただきまして本当にありがとうございます。またよろしくお願いします。」


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