道路に現金を捨てている現実。(家財保険を確かめてください!)

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2013年に被災してから6年後、茂原市は、再度、広域水害に被災しました。
2013年10月、当社も床上80センチに水位が達し、車、図面類、パソコンが全滅しました。その時も、道路の両側には、泥水で汚れた家具類・家電類、畳などが山となっていました。
昨日(令和1年10月28日)、道路の両側には、災害ゴミが積まれていました。

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友人の工務店(千曲川沿い)も水害により、床上浸水となりました。
友人にアドバイスしたのが、

「家具、家電、畳などを捨てる前に、1個1個、写真をとってください」
「写真を撮らずに捨てるのは、現金をそのまま捨てるのと同じですよ」

それは、2013年10月に、私が水害で被災した後、最も後悔した事(それによって多くを学びました)から得たアドバイスです。

河川の氾濫現場では、多くのテレビ局が報道をしていますが、その中で残念に思ったのが、【有名人が家の中から濡れた衣類、家具などをゴミ捨て場へ運んでいる様子】です。
もちろん、ボランティア活動ですから、本人は崇高な善意で行動しています。ありがたい行動です。

しかし、
もしも、この被災者が「家財保険に入っている」「火災保険で水災が補償されている」としたら、この有名人の行動は、「そのまま、大金をゴミ捨て場へ運んでいる」という事になってしまうのです。

その理由は;

◆自然災害(強風による屋根などの損壊、水災による住宅及び内部の損壊)が発生した際、最も重要な行動は、「被害状況を写真撮影する事」です!◆

1)最初に行う事は、被災状況の写真撮影です。
2)次に行う事は、「火災保険の補償内容の確認」と「家財保険に入っているかどうか?の確認」です。

*火災保険(家財保険)の保険証券が紛失したり、濡れて読めない場合は、保険会社へ電話で確認できます。名前と住所を言えば、調べてくれます。

3)「火災保険で風災・水災が補償されている」「家財保険に入っている」場合、火災保険で補償されている物と家財を分けて写真撮影をした方が、保険会社及び鑑定人が被害金額を正確に判定できるので、よりベターです。


まずは、火災保険の範囲と家財の範囲を知ってください。
下記は、AIGの約款を抜粋したものです(↓)*画像をクリックすると拡大表示されます。

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正確に認定するには、自分が加入している保険会社の約款と特約を確認する方法がベストですが、概要は下記の通りです:

1)家の中で、雨水や泥水で濡れてしまった「家具、家電、衣類、布団などなど」は、家財保険で補償されます。
(携帯電話、ノートパソコンなどは対象外の場合が多いです)

2)エアコン(室内機+室外機)は、火災保険で補償されます。屋外に設置しているエコキュートも対象です。

3)畳(火災保険)、原付(家財保険/125cc以下)なども補償されます。

4)倉庫そのものは「火災保険」で補償され、倉庫の中身は「家財保険」で補償される。

となります。
そうなると、下記の画像に載っているものは、ほぼ全てが「火災保険及び家財保険における補償の対象」となるわけです。(したがって、保険申請用に写真を撮らずに捨てた場合、それは現金をそのまま捨てる行為に等しいわけです)

*各画像はクリックすると拡大表示されます。

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強風で倉庫が破壊された場合、
「倉庫」 ⇒ 火災保険で申請する。
「倉庫内の物品」 ⇒ 家財保険で申請する。
という手順になりますから、災害ゴミ置き場へ運ぶ前に、1品1品を写真撮影する必要があります。

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これらの事実を「知る」だけで、これからの災害対策になるはずです。
まずは、お手元の保険証券の確認からスタートしてください。