せっかくのエコハウスに「簡易型24時間換気システム」を設置するのは本末転倒です!

建築基準法の改正により、新築住宅には「24時間換気システム」が設置される事になりました。
「24時間換気システム」と言っても、様々なタイプがあります。

・給気と排気を共に機械(ファン)でおこなうタイプ(第1種換気)
・さらに、給気と排気で熱交換をおこなうタイプ(第1種換気 熱交換型)
*熱交換も「温度のみを熱交換する顕熱交換」と「温度と湿気を熱交換する全熱交換」に分かれます。
・排気を機械(ファン)でおこなうタイプ。排気により室内が負圧になるので、給気口から外気が室内に入ります(第3種換気)
・家全体の空間を効率的に換気するためのダクト方式
・局所的に給排気を同時におこなう方式

などなど、様々な方式の24時間換気システムが存在します。
その中でも、最悪な方式が「局所排気、局所給気」方式です。

これは、局所的に換気ファンを設置して、局所的に「給気口」(壁に穴が開いているだけですが・・・)が複数設置してある方式です。

例えば、トイレやキッチンの換気ファンを稼働させ、そこから室内空気を外に排出します。そして、居室部分の「収納部分」などに穴(これが給気口になります)が開いていて、しかも、その穴(給気口)は開閉可能なものが設置されてあります。
建て売り住宅などに設置されている事を目にすることがあります。

なぜ?このタイプが最悪なのか? 理由があります。

1)冬、給気口からどんどん冷気が室内に入り込むので、寒さに耐えられず「給気口が閉められる」事が多いため。(同時に、排気ファンもオフにされてしまいます)

2)春、窓を開けて換気する生活になりますが、梅雨に入っても「排気ファン」を稼働させるのを忘れてしまう事が多いため。

建築会社にも悪いところがあって、上記の事を当然知っていますから、
「冬になったら、給気口から寒い外気がどんどん入りますので、その時は排気ファンをとめて、給気口を閉めてくださいね」
などと、お施主様にお伝えしている会社もあるそうです。

「法律で決まっているから、とりあえず、換気ができるように建てたけど・・・」

こんな事を考えている会社が、最近の流行をとらえて、高気密・高断熱住宅を建てるとしたら・・・、恐ろしいですね。

エコハウス(高気密・高断熱住宅)は、ついつい、断熱性能/断熱工法だけに注目が集まりがちですが、【24時間換気システム】も重要な要素ですので、この事を決して忘れないようにしてください。