第5回 ecoハウス研究会 情報交換会を開催しました。(平成23年6月17日)

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ecoハウス研究会は、日本全国で地中熱利用住宅を建築している工務店の集まりです。
「地中熱利用システム(エコシステム)」という基本技術・工法を共有する仲間達ですが、一方では「地中熱利用システム(エコシステム)」を各地の気候特性に合わせて改善し続けている集団でもあります。

「地中熱利用システム(エコシステム)」は千葉県で開発された技術・システムですが、それが、そのままで岩手県や大分県で設置されるには無理があります。千葉県とは気候が違うからです。
自然エネルギー(日射熱⇒地中熱)を利用するのですから、たった一つのシステムが全国的に設置されるのはいろいろな点で問題が発生する可能性があります。

そこで、ecoハウス研究会メンバーは定期的に集まって、各社の情報交換をおこなっています。
今回は平成23年6月17日に開催されました。

また、今回の情報交換会においては、現在、各地で発生している【高断熱・高気密住宅の問題点】について討議もおこなわれました。
住宅版エコポイントがスタートして以来、それまで全く経験が無い建築会社においても【高断熱・高気密住宅】を建てるようになりました。
その結果、特に、住宅内の湿気・カビについて問題が発生しています。
(エコホームズ、及びecoハウス研究会メンバーには「一般のお客様/高断熱高気密住宅にお住まいの方」からすでに多数の相談をいただいております)

これらの「住宅内の温熱環境に関する問題」について、その事例と発生した問題について全員で情報交換をおこないました。当然、その解決方法についても検討をしたのですが、多くの問題が発生する根本的な原因の一つが「24時間換気システムに関する間違い」でした。

高断熱・高気密住宅を初めて建築する会社では、【断熱工法】には特に興味を持って取り組むのですが、意外と軽視されてしまうのが「24時間換気システム」です。季節による「住宅内の空気の流れの違い」などを全く知らないまま換気システムを設置している会社が多いので、結果として、高断熱・高気密住宅であっても湿気問題(カビも含む)で悩まされる事例が報告されています。

例えば、断熱改修工事(省エネリフォーム)において「適切な24時間換気システム」を提案している会社はどれだけあるのでしょうか?
今後は住宅エコポイント制度による「負の部分」がどんどん顕在化してくるのではないかと想定しています。

今回の情報交換会での成果の一つは、「断熱改修工事(省エネリフォーム)向けの換気システム」の検討でした。(大分県と福岡市内で地熱住宅を建築している佐々木総合建設さんからの情報です)

佐々木総合建設さんで検討しているのが「ダクトレス全熱交換型換気システム インヴェンター」です(新築にも利用できます)。これなら、家中にダクトを設置する必要がありません。そのため、断熱改修工事には最適であるのではないか、と判断しました。

*効果を測定している動画がありました。下記もご覧ください(↓)


はたして、本当に効果的なシステムなのか?

そこで、このシステムを検証するため、ecoハウス研究会の仲間と一緒に大分まで見学に行くことにしました(7月12日に見学してきます)。

常に仲間と情報交換をおこない、そして、地中熱利用システムもどんどん改善していくこと!、それがecoハウス研究会です。

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追伸:今回の情報交換会には、大手雑誌社の記者さんも参加されました(近々、取材された内容が雑誌に掲載されます)。住宅関係の記者さんであるため、住宅の工法関係の知識も豊富でした。かなり技術・工法マニアである私達の話し合いもしっかりとご理解されていました。さすがです。
また、記者さんから学ぶことも多かったですね。
住宅業界の難しい専門用語などを使わずに、みなさんも「読めばすぐに理解できる表現方法・工夫」などについて教えていただきました。勉強になりました。
一つの小さな会社でできることは限られます。ですが、全国から仲間が集まり、そして、異業種の専門家からも知識を授かることは、小さな会社の壁(限界)を打破することにつながります。
その事を深く実感できた1日でした。