土台にあるタテの溝はなんですか?

【質問】
先日、上棟現場を拝見した際、土台にタテの溝が切ってありました。あれは何のために必要なのですか?

木曾東濃檜 上棟


(回答)
・ご質問をいただきましてありがとうございます。良くいただくご質問です。
タテの溝とは下記の部分ですね。
(画像をクリックすると拡大表示されます)

・このタテの溝は「土台廻りにも空気を流す工夫」です。それでは、詳しくご説明いたします。(今回も長い文章になりますのでゴメンナサイ・・・

・まず最初に知っていただきたいのは、私達が【外断熱工法(外張り断熱工法)】を採用した理由は、構造材(木材)を絶対に腐らせないためです。
外断熱工法では、床下から壁の中に空気の流れをつくることができます。それによって「木が呼吸する」ことになります。だから腐りません。

*さらに詳しい情報は下記をクリックしてご覧ください。
【なぜ?外側に断熱するのですか??】
なぜ?外断熱工法だと家が長生きするのか???
カビ、シロアリ等の対策について

・しかし、ここまで工夫しても「大切な土台」に湿気を与えてしまう部分があります。
そこは「基礎(コンクリート)に土台が載る部分」です。
基礎を造った直後 数年間はコンクリートに多くの湿気が含まれています。大切な土台(木材)にその湿気を直接触れさせるのがなのです。

・そこで、基礎に直接土台を載せないため、土台と基礎の間に「基礎パッキン」をいれます。
*本来、基礎パッキンは床下の換気量を確保するために使用する部材です。しかし、私達は別の目的で利用しています。その「違う目的」については下記をクリックしてご覧ください(↓)
床下に外気を入れないはずなのに、なぜ基礎パッキンを使っているのですか?

・実際に、基礎と土台の間に基礎パッキンを入れている状況をご覧ください(↓)
(画像をクリックすると拡大表示されます)

・写真でご覧になるとわかりますが、土台と基礎の間に「隙間」ができてしまいます。このままでは高気密住宅ではありません。
また、地中熱利用をするためには下記の2つが必須条件になりますので、それにも違反してしまいます。
●床下には外気を大量に直接入れないこと。
●床下は室内と考えること。

・そこで、実際は、その隙間を「サーモプライ」「気密テープ」「断熱材」で覆っていきます。
*施工方法は下記をクリックしてご覧ください(画像をクリックすると拡大表示されます)

実際に、基礎パッキンと土台の間(隙間)を気密テープで塞いでいる様子は下記の写真をご覧ください(↓)

ttei0913001a.jpg

・これで問題(=土台と基礎の隙間)が解決したのですが、新たな問題も発生します。(う〜ん、ヤヤコシイですねぇ〜、ほんとに。)
それは
土台の外側の面(一面)にサーモプライ(板状)がピッタリとはられてしまうこと
です。構造材(木材)を呼吸させるため(腐らせないため)、木材の周りに空気を流そうと必死に工夫してきたのですが、サーモプライを外側からはることによって土台の一面は空気が流れなくなってしまいます。サーモプライは「高気密住宅」にするためには必須の物ですから、これを外すことはできません。
【高気密住宅にするための秘訣】

土台の一面に空気が流れない!タイヘンだっ!
と騒ぐのは過剰反応でして、四面ある中で一面に空気が流れなくなっても、それによって木材の呼吸が止まってしまうわけではございません。

過剰反応であることもよくわかっているのですが、それでも、なんとな〜くなのです。

・そこで登場するのがタテにある溝です。ここまで引っ張ってようやく登場してきました。
この「タテにある溝」を「土台の切り欠き」と言ってますが、その目的とは:

【溝部分の隙間に空気を流すこと】

です。それをご説明させていただきます。(ここからが本番の説明になります・・・)

・土台には液状の炭を塗っていきます。(液状の炭については下記をクリックしてご覧ください)
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・その外側からサーモプライがはられていきます。内側から見たのが下記の写真です。
サーモプライ

・土台の切り欠き(タテの溝)があるため、土台とサーモプライの間に空気が流れる道が確保されます。
下記の写真をご覧ください。白い丸で囲んだ部分をご覧ください。(画像をクリックすると拡大表示されます。)

・この隙間に空気が流れるのです。概念図としては下記の部分です。オレンジ色の小さな矢印部分が「切り欠き部分の空気の流れ」です。
土台の切り欠き部分の空気の流れ

*下記の概念図は「全体の空気の流れ」です。(画像をクリックすると拡大表示されます)

これが【溝部分の隙間に空気を流すため】におこなっている工夫です。

なお、写真だけでは「タテの溝=土台の切り欠き」がよくわかりませんので、動画で簡単にご紹介いたしましょう。下記をご覧ください。


今回も大変たいへん長い内容を最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
ご質問がありましたら、いつでも下記のフォームからご連絡ください。
ありがとうございます。