「二重サッシ」とは?

【質問】

「地熱住宅」には二重サッシが良いと書かれてありますが、それはペアガラス/複合サッシのことですか?
また、樹脂サッシや木製サッシではダメなのですか?
私は木製サッシが好きです。


(回答)
ご質問をいただきましてありがとうございます。
ご質問に関して回答させていただきます。下記をご参照ください。

1)二重サッシについて
・二重サッシは「ペアガラス/複合サッシ」とは違います。
 サッシが二重に設置してあります。
 (外側サッシ: アルミ枠 単板ガラス)
 (内側サッシ: 樹脂枠 単板ガラス)

*二重サッシについては下記の画像をご覧ください。(画像をクリックすると拡大表示されます)


・二重サッシをご覧になった方は本州では非常に少ないと思います。そこで、動画でご説明いたします。下記の画像をクリックしてご覧ください。(クリックすると、動画と音がでますのでご注意ください

・画像をご覧になるとおわかりになると思いますが、「二重サッシ」は引き違い窓です。そのため、窓の種類によっては二重サッシにできません。(押し開きタイプの窓、上げ下げタイプの窓など)
そこで、二重サッシにできないタイプの窓では、「ペアガラス/複合サッシ(枠の外側がアルミ、枠の内側が樹脂)」になります。

・また、二重サッシの場合、内側のサッシでは単板ガラスをペアガラスに代えることも可能です。(さらに断熱が強化されますね。)

2)樹脂サッシ/木製サッシについて
【外断熱の地熱住宅】では、基本は「開口部(=窓)の断熱強化」ですので、断熱/気密性能が高い「樹脂サッシ」や「木製サッシ」でも大丈夫です。

・ですが、日当たりの良い土地に建築される場合、冬 太陽熱/日射を家の中に取り込まないのは、まさに「もったいない!」ですね。

「断熱性能が高いサッシ(=樹脂サッシ、木製サッシなど)」に「LOW−Eガラス」を設置すると、冬 家の外に逃げる熱は少なくなります。しかし、逆に、冬 日射取得量が減ります。
また、夏の夜などはむしろガラス部分から外に熱を逃がしたいわけです。

つまり、「季節別/時間帯別」に窓の性能を変化させることができると、よりいっそう、家の中を快適にできると考えています。

例えば、
○夏 夜間:単板ガラス部分から家の中の熱を外に放出する。
 (昼間はサッシを二重にして、外からの熱の侵入を減らす。)

○冬 昼間:太陽光が燦燦とふりそそぐ部分の窓では、単板ガラスにして日射取得量を増やす。
 (太陽があたらなくなれば、サッシを二重にして、外からの冷熱の侵入を減らす。」

この作業が可能になるのが「二重サッシ」なのです。(上記動画の中では「重ね着の窓」と呼んでいます。)

ですから、立地条件・間取りなどを勘案して「サッシの形状・形態」を決めていきます。
そのため、「樹脂サッシ」や「木製サッシ」がダメなのではなく、日当たりの良い立地では「二重サッシ」がよりベターだとお考えください。

なお、参考情報として、下記もご参照ください。

開口部(窓)の考え方について


3)断熱雨戸について
・断熱雨戸とは「断熱材の入った雨戸」のことです。
・これは、下記の場合に効果を発揮します。

○冬 外が寒い時、及び夜間に窓から冷熱が家の中に侵入することを減らすため。
○夏の西日対策(=日射遮蔽)

*参考情報:下記をクリックしてご覧ください。
  【夏を快適にすごすグッズ
 
(下記の画像は、二重サッシの外側で「断熱雨戸」を閉めた状態です。画像をクリックすると拡大表示されます。)


つまり「開口部の断熱強化」と「日射遮蔽」が可能になれば、「断熱雨戸」に限らず、他のものでもOKなのです。
例えば、

・シャッター + ハニカムサーモスクリーン

なども適用できますし、寒い地域では断熱雨戸の代わりに【断熱戸】になります。
(もちろん、「断熱雨戸 + ハニカムサーモスクリーン」の組み合わせはさらに強力になります。)

今後は「断熱通風雨戸」のような商品も登場してくるようですので、「窓の断熱強化&日射遮蔽」用に様々な選択枝ができるようになると考えています。