あなたに居場所はありますか?

この本は、いわば2010年問題の「住まい」編である。オフィスでは団塊世代が抜けたあと労働力が不足するのに対し、地域や我が家では、これらの人々があふれかえり、居場所が不足することが予測される。
(【定年前リフォーム】溝口千恵子/三宅玲子著 文春新書より抜粋)

定年前リフォーム


(【定年前リフォーム】溝口千恵子/三宅玲子著 文春文庫)という本を読んだ私(たまちゃん)と社員さんとの会話です。

社員「たまちゃん、この本(定年前リフォーム)を読んだら、面白い話が書かれてありましたよ。」

たま「どんな話ですか?」

社員「団塊の世代がこれからどんどん定年をむかえていきますよね。お子様達が独立してしまって、ご夫婦二人だけの住まいだとしますよね。すると、子供達の部屋を改装して【ご主人専用の書斎】にするケースが多いそうなんです。」

たま「うらやましいですね。私も自分だけの広い空間が欲しいですよ」

社員「ところが、これには【隠された理由】があるそうなんです。」

たま「えぇ??? どんな理由ですか?」

社員「団塊の世代/ご主人は一生懸命働く人が多いでしょう。普段は仕事漬けの人が多いのです。当然、平日は在宅していないですよね。つまり、昼間のリビングは【奥様の社交場】になっているわけです。」

たま「フムフム。そうですよね。奥様がご友人達を招いてのんびりしているわけですよね。楽しそうですね。」

社員「そうですね。そこに定年退職したご主人がず?とリビングにいると、奥様にとっては、ちょっと言いにくいのですが、邪魔なんだそうです。つまり、うっとおしいというか・・・・」

たま「・・・・・・・・・・」

社員「そこで、ご主人がリビングにできるだけいないように、ご主人専用のスペースを造りたいのだそうです、奥様が。」

たま「そうだったんですか・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

社員「悲しいですね、ちょっと。」

たま「寂しい話です。」 

そして、この話を私の奥さんに言ったところ、こんな返答が・・・・・。

「えっ??この話のどこが問題なの??」
 「男の人はショックなのかもね。でも、なんとなくわかるなぁ。」
 「当たり前なんじゃない。」

たま「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

この【定年前リフォーム】という本を読んで以来、定年退職前後の方々から積極的にお話を聞いています。お話をお聞きするテーマは、ずばり、

ご主人が定年退職後、暮らし方は変わりますか?(変わりましたか?)

です。

先日も、お施主様(K様)から直接話をお聞きしてきました。数ヶ月前に、「増築&外構工事」のお引渡をさせていただいたお施主様です。K様からお聞きした話は非常に参考になりました。

K様の場合、前述した内容とは違い、むしろ、奥様がご主人を気遣い、そして、お二人が仲良く楽しく暮らすための知恵がつまった「増築工事」でした!
(そうです!このK様と同じお考えで【定年前リフォーム】をご検討される方が多いと確信しています!) 

その内容とは:

玉川「増築をお考えになったきっかけはなんですか?」

K様「妻の足(関節)が弱くなってきまして。2階へあがるのが大変になってきたからです。」

「当初、建替も検討したのですが、引越・仮住まいが面倒なので、増築することに決めました。幸い、土地が余っていましたからね。」


玉川「定年前後の方からよくお話をお聞きするのですが、ご夫妻の生活時間が違ってくるので、寝室を分ける方が多いのですが、K様はいかがですか?」

K様(奥様)「寝てる時、もしも私になにか異変がおこった場合、すぐに主人に知ってもらうため、同じ部屋で寝るほうが安心ですね。」

玉川「定年前までは、昼間、ご主人が外で働いていたわけですよね。定年後、ご主人がず〜と家にいるのですが、何か変化はありましたか?」

K様(奥様)「それまでは、昼間、たくさんの友人が家に集まっていましたが、最近、主人が家にいるので友達も遠慮しているようです(笑)」

K様(ご主人)「妻と一緒にいる時間が長くなると、それまでは気がつかなかった事が(良い点も悪い点も)目につくようになりましたね(笑)。お互い、見たいテレビ番組も違っていますから。」

K様(奥様)「回数は減りましたが、それでも私の友人がたくさん集まることがあります。そんな時、主人が気兼ねせずにいられる部屋が欲しかったのです。そのため、増築することに決めました。」

玉川「う〜ん、夫婦って奥が深いですねぇ〜。たいへん参考になるお話ですね。ありがとうございました。」

私が高齢である両親の家を建てる時、必死になって、妻と一緒に勉強したのが「福祉住環境コーディネーター」という資格です。この知識は役立ちました。
「階段/1段あたりの高さの設定」であるとか、「足元灯の設置」、「手すりの位置」なども非常に参考になりました。

実際、住み始めた両親に意見を聞くと、全ての点において、前の住居よりも「安全である」と体感したそうです。
(この「安全な住まい」を考えた結果、私はオール電化住宅を両親の家に採用したのです。これは、書き始めると長くなるので省略します。)

平屋 オール電化住宅

つまり、「自分の居場所を確保するため」にリフォームをおこなう場合、将来の「老い」を考えて【福祉住環境】的な知恵をもとにリフォームをおこなうべきなのです。

そうでないと、せっかく、多額の費用をかけて、定年前にリフォームをおこなっても、将来、またリフォームに多額の費用を必要します。
【定年前リフォーム】は非常に奥が深いものであることを実感しています。

お子様が就職・結婚などで独立された場合、子供部屋はどのように利用されていますか?
ただの「物置」として利用するのはもったいないですね。そこを、ご夫婦それぞれの【趣味の部屋】として利用されてはいかがでしょうか!

実は、我が家を建てた時、子供部屋は壁で仕切りませんでした。
我が子も将来必ず家を出て行くでしょうから(別に出ていかなくても良いのですが・・・・、私は。)、その広い空間を夫婦共有の【趣味の部屋】(つまり、夫婦以外は誰にもノゾカレナイ空間=整理整頓なんて全く必要ない部屋ですね)として利用する予定です。長い期間、一生懸命働いて、住宅ローンを支払い続けた後ですから、そのぐらいの贅沢は許されるでしょう(笑)

その際、多少のリフォームは必要になると予想しています。それは「収納=棚」です。私はゴチャゴチャした小物を非常に大切にしています。これはどうしても欲しい
アイテムです。【定年前リフォーム】には、こんなことも書かれてありました。



●個室に欠かせない三点セット
さて、書斎として、個室を使う場合、欠かせないのが次の三点セットだ。
1.自分専用の机
2.座り心地のいい椅子
3.手頃な大きさの本棚
(【定年前リフォーム】溝口千恵子/三宅玲子著 文春新書より抜粋)

本棚


さて、「定年退職」前後のみなさま、その時に備えて、どんな準備をされるのですか?
みなさんのご意見・ご感想をお送りいただければうれしいです。
最後までお読みいただけまして誠にありがとうございます。