【木は環境にやさしい】

木曽東濃檜

★森は呼吸する★

地球をつつむ大気は、だいたい80%が窒素で、残りが主に酸素です。しかし地球上には、はじめから現在のような組成の大気があったわけではありません。地球誕生の当初、大気は火山ガスのようなもので、硫黄化合物や二酸化炭素や窒素が主体だったと考えられています。やがて植物が繁殖するようになると、光合成が行われることによって地球との大気の組成は大きく変わりました。

光合成というのは、地中から吸い上げた水と、大気中から吸収した二酸化炭素を使い太陽光を利用してブドウ糖を作ることです。この時、植物は二酸化炭素を吸いながら酸素を大気中に放出します。つまり植物の繁茂と共に、大気中の二酸化炭素はしだいに酸素に変えられていったのです。この植物の活動のおかげで、地球上の大気の組成がかわり、人類の誕生へとつながります。
森林は、動物たちが吐き出す二酸化炭素を取り込み、彼等が必要とする酸素を放出しながら、生長を続けているのです。巨大なガス交換器の役割を持つわけですから、言い換えれば「地球の肺」ということになるでしょう。

しかし、現代文明は石油や石炭などの化石燃料の大量消費の上に成り立つものですから、社会が発展すればするほど二酸化炭素の発生も増加の一途をたどることになります。現在の二酸化炭素濃度(0.03%)ではまだ植物の光合成能力にゆとりがありますが、これからさらに二酸化炭素の放出が増加していけば、いずれ森林という優れたガス濃度自動調節器でも処理しきれなくなることでしょう。