【IHクッキングヒーター 電磁波の測定】

IHクッキングヒーター

★清志朗様からご意見をいただきました。


玉川さま
こんにちは、早速添付ファイルなど頂き、また丁寧にご回答頂き、ありがとうございました。

私もオール電化には賛成で、ぜひ導入したいのですが、電磁波の問題があります。電気製品には、電磁波は全てあるのですが、特にIHクッキングはどんな物かと思い、ちょうど住宅フェアに電力会社がオール電化のブースを出していましたので、質問してきました。

まず、メーカーの方に聞いたら、「問題になるレベルではありませんよ」と通常の答え。それで、具体的にどの位置でどの位の距離でどんなレベル(強度)かわからないか質問したら「私はセールスで技術屋では無いので」ということで、電力会社の担当者を探してきました。
今度は電力会社の社員が、同じように問題ありませんと言うので、「自分で電磁波の測定をして、納得したいのですが測定器は無いのですか」と聞いたら、「電磁波の周波数が違うので、IHの電磁波を測定する機械は何百万円もするから研究室にしかありません。普通の安い測定器では、多く表示されるが、それは間違っています」と。納得できない顔をしてると、絵の書いた表を持ってきて、IHクッキングの電磁波はドライヤーやテレビより少ないでしょと説明。

でも、その絵の中のIHクッキングは30センチ離れていたので、「これはどうして30センチなのですか」と聞いたら、「体全体での電磁波の影響で評価するから、普通にキッチンに立ったとき、IHクッキングから体の中心までの距離が大体30センチです」と、実際に立って説明してくれました。ところが、その表のドライヤーは距離3センチ、テレビは30センチとなっています。それで「テレビなんて30センチで見ないし、ドライヤーも普通10センチ以上離すでしょ、3センチでそれが体の中心までの距離だったら、ドライヤーは頭の中に食い込んでいない?」と聞いたら、驚いて「そんなこと聞く人いませんよ、そんなに心配ならオール電化にしなけりゃいいのではないですか」。とまで言われてしまいました。それで「私は非難したくて言ってるのではなく、オール電化はいいものだから納得して導入したいので、ちゃんと隠さず教えて欲しいと言ってるだけですヨ、アスベストだってあんなに良い物はないと言われてたのが、今では悪の根源になってるでしょ」と。あの説明では、ますます電磁波に対して、不満や不安が募るだけでした。電力会社/フェア会場の担当者が、そんな無責任なレベルだったんで、驚きました。

長々と書きましたが、どうも色々とありがとうございました。また、今後もよろしくお願いします。


玉川さま
お久しぶりです、清志朗です。
前に、オール電化の電磁波の件で、電力会社の担当者の対応の悪さについて紹介させていただきましたが、3月14日に電力会社から「実際に測定できるようにさせていただきます」という案内があり、4月3日に、ようやく準備ができたということで、本日、電力会社/営業所で測定をさせていただきましたので報告させていただきます。

対応してくれたのは、30歳くらいの若い職員で(他に年配者含め3名でずっと見守っていた)、住宅フェアでの電力会社職員の対応は信じられませんが、どうもすみませんでしたと言うことでした。もう1人の職員が、対応の悪かった職員のことを知っていたようで、「●●ですよね、どうもすみませんでした」と、名前を挙げて謝っていました。

最初に、少し説明させて欲しいという事で、話を聞いていたら、「電磁波は放射線と違って、一瞬でも浴びたら危険というものではないので、多少強くても安心です」というので、「それは違いますよ、それだとレントゲン検査も受けられませんよ、安全のイメージを作る為にそういう説明をすると、ちょっと知識がある人には逆効果になりますよ」と言ったら、すぐに発言を撤回して誤っていました。そういう電磁波とか放射線についての専門知識があるわけではないので、説明を聞いても仕方がないので、すぐに測定に入りました。

測定器は、黄色のテスターのような物の先端に、風船のようなアンテナが付いている物で、この電力会社にも、この1台しかありませんということで、普段は高圧線からの電磁波の強度測定に使用しているそうで、価格も100万円以上ですということです。機種はELT-400と書いてありました。

IHクッキングヒーター 電磁測定

何台かのIHクッキングヒーターに、ステンレスのナベ(中は水)を置いて、直前(測定器のアンテナがキッチン台に接触している状態)で測定しました。測定数値は、ナベを中心に置いた場合と、中心から約3センチずらした場合と、中心近くまでずらした場合です。ずらした場合のクッキングヒーター上部では、10倍以上に大きな数値でしたので、1台だけ測定しました。単位は全てマイクロテスラ(μT)です。

三菱CS−G3205BDA・・・2・8.6・9.2(上部では、2・30・100)
東芝BHP−M47AS・・・・・2.1・7.2・9.6
ナショナルKZ-MSW32B・・・1.9・8.1・7.3
日立HTB-A9WS・・・・・・・1.8・8.8・11.6
(オールメタルでは2.7・7.0・9.0)
ナショナルKZ-321MS・・・・・5.8・11・13
(2KWラジアントヒーターでは中心に置いた時のみ0.2)


ちなみに電子レンジ(ナショナルNE-JW20)で、中に何もいれずに牛乳温めしてるとき、扉の直前14、側面4、上で2.2でした。(扉の前1メートルでは0.26)以上から、案内パンフのとおり、新しい機種ではキッチン台にほぼ接触していても2.1以下の電磁波で、10センチも離れれば半分以下の強度(0.6〜0.8)になりますが、ナベがずれていると強い電磁波が出ている(漏れている)ので注意が必要です。
また古い機種(上記ナショナル321MS)では、案内パンフよりも強い電磁波が漏れていました。

今回は、漏れた電磁波のことを聞いたのですが、それ以上に火災の危険が少ないとか、掃除がしやすいとか、熱効率が良いとか、メリットはたくさんありますので、各メーカーや電力会社には、本当に隠さずに広報して欲しいと思います。今回も、ちゃんと対応していれば(例えば専門のスタッフを置く、実際に電力会社で測定した結果を公表するなど)、わざわざ場所を設けて測定する事もないし、何か隠しているんじゃあないかと怪しまれる事もないのではなかったと思いました。担当者に聞いたら、そういう(電磁波の)問い合わせは時々あるけど、実際に測定して欲しいとか、パンフの内容がおかしい(IHクッキングヒーターが30センチで、テレビが30センチ、ドライヤーは3センチなど)という話は、今まで無かったという事です。ですから、社内でも特に検討するとか、広報を仕方を考えるということは、全く思いつかなかったようでした。(このあたりが、ぬるま湯の公務員的発想)

以上、多少辛口な面もありましたが、参考になればと思い、報告させていただきます。