玉川さんが建てる家は地震に強いですか?

最近、ほんとうにたびたびお客様からご質問されることが2つあります(↓)

第三者監理をお願いしたいのですが、認めていただけますか?
●玉川さんの家は地震に強いですか?

第三者監理】については、私もお客様に提唱していることであり、「建築会社を信頼する/しない」に関わらず、お施主様は【第三者監理】を実施したほうがよいのです。

そもそも、「信頼しない建築会社」とお施主様が住宅建築の契約を締結するはずはないですからね。「信頼する/しない」とは別次元の話です。

このご質問「第三者監理をお願いしたいのですが、認めていただけますか?」をされる方によくよくお聞きすると、まだまだ【第三者監理を嫌がる】建築会社が多いようなのです。不思議ですねぇ〜。何で?嫌がるのでしょうか?

工務店経営者の立場からすると、むしろ「第三者監理を導入してもらった方が良い」はずです。
社員さん・職人さん達も「気合」が入りますからね。結果として、会社の品質管理強化につながりますから。現状で「今でも品質は十分高い!これで満足だ!!」と思っていても、やはり改善・カイゼンは必要です。

今までは、JIOに依頼することが多かったのですが、先日、お施主様が探された「株式会社千葉県建築住宅センター」の【第三者監理】を受けました。
やはり、JIOの監理方法と若干違っていました。
【第三者監理】も、いろいろな会社に検査してもらうのが良いですね。


次のご質問「玉川さんの家は地震に強いですか?」についてですが、このようにご質問されると「大丈夫ですよ。任せてください。」としか答えようがないので困ってしまいます。(笑)

私達の家造りに限らず、建築基準法においては「地震に強い家」を規定しているわけです。ですから、このご質問を受けた場合、正しいお答えは「建築基準法に適合しています。」しか言えないわけです。

ただし、建築基準法も大地震がおこると規定が変わりますので、私達が建てた住宅でも「平成12年6月以前に建てた住宅」と、それ以降に建てた住宅では地震に対する強さが違っています。
*詳しい内容は下記をクリックしてご覧ください。
 【建築基準法は大地震によって改善されてきました!

ところが、お客様が知りたい内容は「建築基準法に適合しています。」という回答ではなく、つまり「震度6/震度7でも家が倒壊しませんか?」ということだと思うのです。

では、「建築基準法に適合している住宅」の地震に対する強さはどんなものでしょうか?
「住宅性能表示制度」という「住宅の性能を客観的に評価する制度」の内容から見てみましょう。
JIOのサイトに表示されている「性能評価とは?」の中にある【構造の安定】をご覧ください。

そこに表示されている「等級1」が「建築基準法の規定」とお考えください。このように書かれてあります(↓)

・数百年に一度発生する地震(東京では震度6強から7程度)の地震力に対して、倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震(東京では震度5強程度)の地震力に対して損傷しない強さ (JIOのホームページから抜粋)

お施主様が、ここに規定されているよりも強い家を望まれる場合、建築基準法に適合しているだけでは満足されないはずです。

地震に強い工法がいろいろとありますが、そのどれを採用する場合でも、「建築会社の言うことをそのまま信じる」のではなく、やはり第三者に客観的にチェックしてもらうことが必要です。
それが【住宅性能表示制度】だと考えています。

実際、前述のお施主様は【住宅性能表示制度】を利用されました。
通常、私達が建てている住宅(構造)を「構造計算」をおこない、前述の千葉県建築住宅センターが評価したところ、「構造の安定/耐震等級3」を取得されました。(ただし、「基礎の配筋を補強する」など若干の補強は指示されましたが。)

「耐震等級3」とは、
・等級1の1.5倍の地震力に対して倒壊、崩壊せず、数十年に一度発生する地震の1.5倍の地震力に損傷しない強さ(JIOのホームページから抜粋)

つまり、「地震に強い住宅」は、あくまでも第三者の評価が必要ではないか!と思うのです。
建築基準法に適合している住宅に、第三者の客観的な評価/検査のもと、補強工事をおこない、それをお施主様に確認していただくこと。これがご質問に対する回答だと思います。

さらに、今回私が主張したいことがあります。(今回も長いですねぇ〜。すみませんね。)

木造住宅の場合、お引渡し時に「耐震等級3」を取得していたとしても、構造が腐ったり、シロアリに喰われてしまっては、地震が発生した時に、期待している強度が無い場合がある、ということです。

せっかく「等級3」の住宅を建てても、それはお引渡し時(検査時)の強度でしかありません。例えば、【壁体内結露(壁の中で結露する現象)】によって構造体が一部でも腐ったら、理論的には、「等級3ではない」ことになりますね。つまり、【地震の対する強さ】+【構造体が長持ちする工夫】が必要になると考えています。

そのため、「玉川さんが建てる家は地震に強いですか?」という御質問に対する答えとしては;

1.【住宅性能表示制度】を利用して、そこに定めてある「構造の安定」で等級3を取得すること。

2.さらに【構造体が長持ちする工夫】を必ずすること。

なお、私達がおこなっている【構造体が長持ちする工夫】については、下記をクリックしてご覧ください。

★【構造体が長持ちする工夫】★