はじめに

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★はじめに

最近、週末の新聞に入っているチラシをつらつらと眺めていると「外断熱工法」を採用している工務店さんが増えてきました。日本の家も全体的に進化してきました。よかったです。「住宅エコポイント導入」や「地球温暖化対策」などなど、マスコミもどんどん取り上げてくれるようになりましたので、住いが「高断熱・高気密化」する流れはどんどん勢いを増してきています。

一方で、国産材や古民家人気も根強く、昔ながらの民家(低気密・低断熱と表記したらよいのでしょうか?)も構造的に補強され、これからも残っていくことになります。

つまり、「高断熱・高気密住宅」もしくは「低断熱・低気密住宅」という両極端の住宅が、それぞれの良さを発揮して共存していく姿が未来の住宅像であるといえます。
中途半端に断熱化(気密化)された住宅は、住宅の寿命を短くするだけではなく、家族の健康にも悪影響をおよぼしてしまうことは万人が認識するようになりました。
どちらの住宅であっても、基本的なポイントは「住宅を長持ちさせること」です。

ところで、最近のチラシでは「外断熱工法(外張り断熱)」などとどこでも書いてありますが、そもそも、この「外断熱工法」とはなんなのか?住宅には他にどんな断熱方法があるのか?などなど、一般の方にとって疑問に思うことは多々あると思います。

「ネットや口コミでは、なんとなく【外断熱工法】が良いと聞いている。しかし、従来の断熱工法(内断熱工法)よりは建築価格は高いらしい・・・」

おそらく、あなたはこのように考えているのではないですか?

外断熱工法で家を建てれば、

●家の中から結露をなくすことができるかもしれない
●もう、クロスにカビが生えなくなるかもしれない
●アトピー・シックハウスから子供を守れるかもしれない
●長持ちする家になるのかもしれない。
●床下の湿気を気にしなくてもよくなるかもしれない。
●シロアリの心配から解放されるのかもしれない。
●梅雨の湿気から解放されるのかもしれない。
●お風呂場で、おじいちゃんが倒れることを心配しなくてもすむかもしれない

そんな風に感じながらも、

●外断熱で家を建てると本当に効果があるのだろうか?
●どこの建築会社にでも建てることはできるのだろうか?
●営業マンの言っていることは本当だろうか?

という風にも、感じているのではないでしょうか?

確かに、あなたが感じているように、「外断熱」だけが【全ての「住宅における問題点」】を解決してくれるわけではありません。

そもそも、
「外断熱って、いったい何なの?」
と思っている方もたくさんいらっしゃいます。

ある本(「いい家が欲しい」)が有名になったため、10年ほど前から「外断熱」が流行になってしまいました。

昨日まで、「千葉県では外断熱なんて必要ありませんよ」と言っていたハウスメーカー・工務店までが、流行に乗るため、「これからは外断熱が正しいのですよ」
などと言うようになりました。

例えば、千葉市にある【ある工務店さん】は、今まではカナディアンハウス(高断熱・高気密)住宅を建てていました。それまでは「内断熱で充分に高断熱化できますよ。外断熱までは必要ありませんね」と言っていたのですが、突然、会社の前の看板を書き換えました。

「高断熱・高気密住宅(外断熱工法)」
と書き直してありました。

ところが、実際に、その工務店さんに質問したお客様からの話では、「基本は内断熱なのですが、御希望であれば、外断熱でもやります」と工務店さんの営業担当の人が答えたようです。
結局、どちらでも良いということなのでしょう。

本来、外断熱、内断熱という「断熱工法」は、ある【目的】を実現するために選択される工法の一部です。
家造りにおいては、ハウスメーカー・工務店それぞれが、自分達が「最良だと思う建て方・工法」で家を建ててきました。
木造軸組み工法、ツーバイフォー、軽量鉄骨などの構造体のどれを選ぶかに次いで、どの【断熱工法】にするかが重要な選択になります。選択肢の中から、自社の薦める最良の方法を提案しているのです。
そういった、「家造りの方法」の中で大きな比重を占めるのが「断熱工事」です。
断熱工事の種類も「内断熱=充填断熱」、「現場吹き付け」、「外断熱=外張り断熱」、「外断熱(外張り断熱)と内断熱(充填断熱)の併用」など方法がたくさんあります。

ハウスメーカー・工務店それぞれが、自分達が「最良と思える」家造り(【目的】)を実現するために、いろいろな方法の中から選んでいるのです。

「最良」というのが、「住み手にとってなのか、企業にとってなのか」を見極めることも重要です。また、「内断熱は悪くて、外断熱が良い」と言う、一面だけで比較するような、安易な判断は避けたいものです。
目的が明確で無い、ただの流行に踊らされている、あるいは反対に「流行を利用しているだけ」のハウスメーカー・工務店もないとはいえません。

ここまで読んだあなたは、
「それでは、何が一番良いのかしら?」
と不安に感じていると思います。

このガイドブックは「外断熱工法の良さ」を説明するものではありません。また「内断熱が悪い」ということを証明するものでもありません。
これから、一生に一度の一番大きな選択をしようとしているあなたに、「自分にとって、なにが一番適しているのか」を選択してもらうための情報を書いたものです。

家造りの方法は多種多様です。
100の工務店があれば、100を超える「家造り」が提案されます。

そんな中で、あなたが情報だけに踊らされず、適切な判断ができるようにお手伝いするためのガイドブックであることを願い、あえて書くことを決意しました。

繰り返し申し上げます。

エコホームズの家造りだけがベストではありません。
他にも優れた家造りがたくさんあります。あると願っています。

ガイドブックの一部に、私達の施工例が書かれてありますが、それはあくまでも参考としてください。それだけが、唯一の選択肢ではないことを事前にご了解いただきたいと思います。

なお、本文中に「外断熱」と表記されてあるのは、本来「外張り断熱」と書かれるべきですし、「内断熱」と表記されているのは「充填断熱」のことです。みなさまがご理解しやすいように、あえて「外断熱」「内断熱」と書かせていただきました。ご了解ください。

あなたが、一時の流行(外断熱ブーム)に騙されないで、本物の家造りにめぐりあえることを願って書きました。

このガイドブックを読めば、本当に信頼できるパートナーを選べる指針が明確になると思います。

ぜひ、このガイドブックを読んで、「後悔しない家造り」のために役立てていただければ幸いです。