バカの壁

なにげなく買った本が大ヒットでした。
「バカの壁」(養老 孟司氏著/新潮新書)です。これは面白い本を見つけました。本屋さんでたくさん並んでいましたから、すでにベストセラーの仲間入りをしている本なのでしょう。私が知らなかっただけです。ここに書かれている「バカの壁」に関する詳しい説明は書きません。なぜなら、私が勝手に(つまり、自分が持っている「バカの壁」で判断して)理解した内容が、本当に著者が書きたかった内容かどうか自信がないからです。

どうも、私達は、自分が独自に持っている意識(もしくは、価値観)によって、入ってくる情報を各自それぞれが勝手に理解しているようなのです。同じ情報を受け取った複数の人達が、それぞれ勝手に解釈しているらしいのです。つまり、「話せばわかる」というのは幻想であって、聞く人、話す人の意識=価値観が違うと、別な解釈で話を理解してしまう。

そういえば、職場・学校においても、そんな例はたくさんありますよね。私の例でご説明しましょう。

私は、もともと、建築業界の人間ではないので、建築業界の(社内の)常識的な作業/処理方法に我慢ならない時が多々あります。そこで、社員に怒鳴る時があるのですが、怒鳴られた社員はたまりません。

「何で?社長は、こんなことに怒っているのだろう????」というような顔をして聞いています。ここでは、私と社員の間に、それぞれ違った「バカの壁」が存在します。

● 私の「バカの壁」=建築業界の事はよく理解できない。だから、それをぶっ壊してしまおう。
● 社員の「バカの壁」=建築業界の常識・良き伝統・知恵

ようやく、私も自分を理解できました。【新参者】【異業種の経験しかない】、などがコンプレックスとなって、「建築業界の常識をぶっ壊せ!」という愚かな「バカの壁」を築いていました。良き伝統・知恵までも否定するところでした。社員がかわいそうです。

誰か、私の強固な「バカの壁」を壊してください。自分では、なかなか壊せそうにありません。社員のみなさん、当分の間、勘弁してね!