7月22日16:15 NHKラジオ第1放送の「当世キーワード・新語流行語」に<地熱住宅>が紹介されました。

「地熱住宅」

夏涼しく、冬暖かい、地熱の特性を活かした省エネ住宅なんですね。地表から5m下の地中温度というものは、15度から18度程度でほぼ一定しているために、外気に比べると夏は涼しくて、冬は暖かく感じるんですね。

外気が行き来する従来の床下のままでは、地中に蓄えられた熱が建物には伝わらないので、掘り下げて5m下の床下まで断熱材ですっぽりと覆いまして、地中、土間床コンクリートから床下にかけて蓄熱帯や蓄冷帯をつくりまして、床の冷暖房のような役目を果たさせている訳なんですね。

これだけでは床下だけが暖かいことになるので、ファンのついた配管で建物内を循環させる訳なんですけれども、夏は地温に支えられてひんやりした床下の空気を2F天井裏まで吸い上げて、2Fの部屋に放出する訳なんですね。逆に冬は2F天井近くに溜まる暖気を床下に流すという仕組みになっている訳なんです。

住宅研究室からのコメント

☆ 「地熱住宅」の発音は、NHKによりますと、「ちねつ住宅」が正しいそうです。

☆ 地下5mの地中温度は、南関東以西では15度から18度でほぼ一定という見方もできますが、年間最低温度の15度が夏で、年間最高温度の18度が冬ですから、「地下5mの温度は、夏と冬が逆転している!」と言いたいですね。地下10mは一年中一定です。

☆ 今回のラジオ放送で、「5m下の床下まで断熱材ですっぽりと覆い」とありましたがこれは勘違いです。地上が冬になった時、地下5mに夏の熱がやっと届き、その時18度強あるということは、床下すぐの地中を地下5mの条件に近付けることによって、床下地中温度を冬まで持ち越すことに成功しました。

☆ 夏は、冬の床下地中の冷熱を夏まで持ち越すので、床下がエアコンドライ温度より低くなります。床下空気を住宅上方に吸い上げることによって、床下低温空気を利用しながら床下を除湿することになります。