外断熱を用いた家と内断熱を用いた家とでは、熱損失は変わりがないと解釈しておりますが、貴社の「省エネルギー」という家の要因はどこにありますか?

質問:外断熱を用いた家と内断熱を用いた家とでは、熱損失は変わりがないと解釈しておりますが、貴社の「省エネルギー」という家の要因はどこにありますか?

回答:
その通りです。
例えば、次世代省エネルギー基準である熱損失係数2.7Wを確保するための壁断熱材の厚みは、断熱材が柱などで途切れる内断熱は65mm、途切れない外断熱は50mmとなっていますから、公庫で決められた通りにする限り、少なくとも建設時は外断熱も内断熱も同じ性能ということになります。私達が、次世代省エネルギー基準よりはるかに「省エネルギー」である主な要因は2つあります。

●要因1
次世代基準より、窓の性能をよくすることと、隙間を少なくする(気密性をよくする)ことによって、家全体の省エネレベルを示す熱損失係数が、約1.6W程度になっています。
(参考比較例:一般住宅5.6W 新省エネ住宅4W 次世代2.7W)

■具体的計算例(熱損失係数だけによる計算)
熱損失係数とは、内外の温度差が1℃の時、1時間あたりに失われる熱量(W)を延べ床面積で割ったものですから、

◎外気温:0℃、室温:20℃、延べ床面積:150・の場合

一般住宅の熱損失量=5.6(W)×150×20=16800(W)

新省エネ住宅熱損失量=4(W)×150×20=12000(W)

次世代型住宅熱損失量=2.7(W) ×150×20= 8100(W)

地熱住宅熱損失量 =1.6(W)×150×20= 4800(W)

☆上記の熱損失量が、必要な暖房エネルギーともいえます。

●要因2
地熱によって床下地中からおだやかな自然床暖房をしているような構造になっているため、暖房をしなくても、自然温度差が15℃程度あります。

■具体的計算例(自然温度差を考えに入れた場合)
(自然温度差例:一般住宅5.℃ 新省エネ住宅7℃ 次世代10℃)
☆ 上記自然温度差は概略的なもので、日当たりや方位などによって2℃〜3℃の差がでます。 

◎外気温:0℃、室温:20℃、延べ床面積:150・の場合

一般住宅の熱損失量=5.6(W)×150×(20-5)=12600(W)

新省エネ住宅熱損失量=4(W)×150×(20-7)=7800(W)

次世代型住宅熱損失量=2.7(W) ×150×(20-10)=4050 (W)

エッセ-21熱損失量 =1.6(W)×150×(20-15)=1200 (W)

☆上記の熱損失量が、必要な暖房エネルギーともいえます。
☆熱損失係数だけでなく地熱による自然温度差を考えにいれると、一般住宅の10分の1以下となり、次世代型と比較しても3分の1以下の省エネになることがわかります。

冷房エネルギーに関しましては、日射遮蔽次第で大きく変わってきますので、別の機会にさせていただきます。